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ロナウドのためのワールドカップ

ブラジルのサッカー

昨日の記事で思いっきりロナウドを誉めてあげた俺だが、もちろん別の見方があるのは十分承知している。承知した上で、ロナウド@90.5キロを持ち上げているのである。

俺は、あくまでミーハーなサッカーファンとしての立場だ。自称「通」は絶対そうは言わない。

と言っても通の皆さんに対して別に喧嘩を売っているわけではない。自分もともすれば一講釈してしまいがちな人間なので、ことサッカーに対しては観客に徹しようと思っているのである。



さて、その通な皆さんの不満であるが、一言で言うと「ブラジルらしくない」ということに集約される。何となくわからんでもない。もう4試合も見てきたが、今のセレソンは豪快でも奔放でもない。

ただ緻密で、計算高いだけである。そんなのつまらないというのである。

特に、最後の対戦相手であったガーナがまさにそういう豪快で細かい所にこだわらないサッカーを見せてくれただけに、ますます不満であるらしい。


そしてその不満の矛先は、まずロナウジーニョであり、彼にそういうサッカーをさせているパレイラ監督に向けられている。


ロナウジーニョについては、あれはあれでなかなか渋い、日本人好みのサッカーである。日本人はみんな人格者なので、いちいちゴールの数がなんぼだのというつまらないことにはこだわらない。日本人は職人が大好きだ。

ただ、それが面白いかといわれれば、ちょっと微妙である。面白いといえば、彼がまだみんなに「ロナウジーニョ・ガウーショ」と呼ばれていた4年前の方が面白かった。


あの時も、今の「魔法のカルテット」の前身である「3R(ロナウド、リバウド、ロナウジーニョ)」(これに、サイドバックから飛び出してくるロベルト・カルロスを加えて4Rともいう)と言うのがあった。

しかし、今のカルテットが機能しているかといえば、全くしていない。ロナウジーニョは、カカと共に、ロナウドのシュートのためだけに、献身的な努力をしているだけである。そしてカルテットの最後の一人、アドリアーノは全く冴えがない。

アドリアーノの不調は誤算だったが、どれもそれも、パレイラ監督の構想であろう。


で、ここからが俺の昨日の記事と繋がる。つまり、パレイラ監督は「魔法のカルテット」と言いながら、実際にとった戦術は、ロナウドをエースとして、そこにすべてを集約することであった。

これは言い方を替えれば、ロナウドと心中することである。それでももしロナウドが日本戦で復活しなかったら、思いきって切り替えたはずである。しかし、曲がりなりにも機能してしまったので、ガーナ戦でも採用した。

そうしたら、思いっきりつまらなくなってしまったというわけである。それでも日本相手では気にならないが、ガーナのようなスピード感あふれる相手だと、ひときわもたもたと感じられる。


ただこれは、パレイラ監督のキャラクターでもある。どうも彼は、こう考えているらしい。どんなに面白いサッカーを見せても、勝って、結果を残さないことには話にならないと。

これは、極めて大人の考えである。通な人たちからは罵倒されるかもしれないが、それは大筋において正しいと思う。

なぜなら、ワールドカップは、サッカー通の人たちだけのために開催される大会ではないからだ。サッカー通の人口とは比較にならないくらいのにわかサッカーファンを相手にしなければならないのである。

そして、にわかサッカーファンは経過などどうでもいいのである。記録に残らなければ、記憶にも残してくれないのである。

まして今回、六冠への期待は日本からではとても想像できないくらい膨れ上がっている。変に美学にこだわって中途半端な所で負けて帰るわけにはいかないのである。


そしてもう一つ、頭の痛い問題。ロナウドである。何度も繰り返していうが、いくらロナウジーニョの評価が上がろうが、ブラジル人の一般大衆にとってのセレソンといえば、今のところロナウドなのだ。

ここでロナウド抜きで優勝しても、めでたさも中くらいにしかならない。

はっきり言って、盛りを過ぎたアタッカーを使うのは嫌だろうなあと思う。だから、ロマーリオも三浦知義も国民的論争を巻き起こしながらも切られてしまったのだ。

ただロナウドは今のところ、上手に使えばまだまだ恐ろしい破壊力を発揮する。チームメイトにも良く慕われている。しかも、記録もかかっている。それで、起用に踏み切ったのであろう。

そして、一度決めたからには心中する覚悟をしなければならない。よほど調子が悪いか、怪我でもしない限りはスタメンから外せないだろう。


つまり、パレイラ監督はまず第一に、勝たなければならない。そしてそれは、ロナウドを中心としたチームでなければならない。この二つを両立させるためには、こういう戦術でいかざるを得ないのではないか。俺はそう考えるのである。

ただそのために、ロナウジーニョは犠牲にならざるを得ない。ロビーニョは出場機会が限られてくるし、アドリアーノもやりにくそうだ。しかし、攻撃陣は若い選手ばかりだ。4年後もある。


さあ、ロナウドのためのワールドカップ。今までは格下の国ばかりが相手でしたが、果たしてフランス相手に通用しますでしょうか。

それとも、もしかしたら、この一戦でこそ、パレイラでこそシュミレーションできなかったようなセレソンの新たな可能性が見えてくるのかもしれないと思ったりする。


この週末はブラジルxフランス戦 目が離せないあなたは →
| ブラジルのサッカー | 23:44 | comments(2) | trackbacks(3) |
コメント
こんばんは。

やっぱり何だかんだ言ってもロナウドは大したもんです。全ブラジル国民の夢を背負うストライカーなんですから、プレッシャーも相当なものでしょうね。そんな中で今までエースでやってこれたんですから、当然リスペクトされるべきだと思っています。

フランス戦は、パヘイラの戦術が見ものですね。
| Carlos | 2006/07/01 9:10 PM |
カルロスさん
コメントありがとうございました。

で、負けちゃいましたね。
本当にロナウドと心中しちゃいました・・・

世界最高のアルチレイロに、
チームのこの成績は納得いきません。
ちょっと複雑な気持ちです。

やっぱり「負けないこと」と
ロナウドを立てることは両立しなかったようです。

パレイラ監督は多分ぼろくそに非難されるのでしょうが、
私はそういう気持ちにはなれません。
かれは、監督としては完璧主義者過ぎたのだと思います。
| パウメイレンセ | 2006/07/04 9:02 AM |
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